契約書から有価証券報告書、プレスリリースまで、幅広い文書に関するナレッジ共有・業務効率化を実現
SBIリートアドバイザーズ株式会社
SBIリートアドバイザーズ株式会社
コンプライアンス・オフィサー / 投資運用部長
緒方様 / 井本様
- 業種
- 金融・保険
- 導入部署
- 事業部
- 企業規模
- 1~50名
- 文書類型
- 契約書
- 規程・規則
- 開示文書
- その他
場不動産投資信託(J-REIT)である日本リート投資法人の資産運用会社。2022年11月、双日リートアドバイザーズからSBIリートアドバイザーズへ商号変更。
SBIリートアドバイザーズは、上場不動産投資信託(J-REIT)である日本リート投資法人の資産運用会社として、投資主価値の最大化を図っています。
複数の部署でLAWGUEを導入しており、投資運用部では不動産売買契約をはじめとする契約書、コンプライアンス業務では有価証券報告書や資産運用報告書、財務企画部ではローン契約やデリバティブ取引契約など、様々な文書でご活用いただいています。
こういった文書業務には過去のナレッジを活用できる部分も大きく、同社では現在ナレッジ共有による業務の標準化・効率化を進めています。LAWGUEはそこにどのように貢献しているのか。コンプライアンス・オフィサー 緒方様、投資運用部長 井本様に伺いました。
※肩書きや所属はインタビュー当時(2023年2月)
- 課題
- 事業機会を逃さないために、スピーディーに契約書をレビューしたい
- ノウハウを属人化させずに共有し、業務の標準化を図りたい
- 導入
- 自社ナレッジの蓄積による契約書のドラフティング、レビューの効率化を期待
- Wordとの互換性が高く、扱う文書との相性が良さそうだと感じた
- 効果
- タグ検索機能によってドキュメント検索・比較作業を効率化
- LAWGUEに情報を蓄積することで、ナレッジ活用の素地も整えられている
- 営業担当者自らが条文を修正してレビューに回せるようになり、チェックの負荷が軽減
活用のポイント
- スモールスタートで効果を検証しながら社内展開を進める
- 物件ごとにフォルダを作成し、やり取り先など細かな情報をタグづけで管理。レビューや過去案件を検索する際にデータベース的に利用
- リーガル面はもちろん、ビジネス観点での判断に過去ナレッジが活かせる
- 議事録、プレスリリースなどの作成時には文書比較機能でナレッジを活用
スピーディーかつ正確な社内レビューのためにノウハウの共有は不可欠
普段の業務ではどのような文書を扱われていますか。
井本様:我々投資運用部では、不動産売買契約書や不動産信託受益権の売買に関する契約書、取引前に締結する秘密保持契約書などを扱っています。
緒方様:私はコンプライアンス・オフィサーとして、決算短信、資産運用報告、有価証券報告などの決算関連資料、プレスリリースなどのチェックを担当しています。また、営業担当から相談を受けた際に契約書を確認することもあります。
契約書や文書作成関連業務においてどのような課題を抱えていましたか?
井本様:特に不動産売買契約などでは、案件をスムーズに進めるためにスピーディーな判断が求められます。契約の締結にあたっては必ず弁護士のレビューを入れますが、そこにかかる時間をできる限り短縮するために、社内でのレビューの精度を高めたいと考えていました。
また、人員の入れ替わりがあっても業務を標準化するために、ノウハウを属人化させずに共有していくことも重視していました。
投資運用部として契約書の作成、交渉を進めていくにあたっては、リーガル面のチェックポイントに加え、ビジネス面を考慮したジャッジが重要になります。相手の都合もある中で、我々はどこまで譲れて、どこは譲れないのか。関係者が多い中で落とし所を見つけていく際には、過去のやり取りが非常に参考になります。こういった情報が過去のドキュメントに蓄積されていますから、それを引き出し、活用していけるかも重要でした。
スモールスタートで効果を検証しながら社内展開を進める
緒方様は、出向元の職場でもLAWGUEの導入を検討されていたそうですね。
緒方様:出向元ではリーガルテックの研究をするチームに所属しており、さまざまなツールの活用を進めていました。当社に出向したからにはその経験を還元していきたいという思いがあり、リーガルテックツールの導入を検討することにしました。他社製品も含めいろいろと見ていくなかで、扱える文書の種類が多く、それらをスムーズにアップロード/ダウンロードして不便なく利用できるようなWordとの互換性があるのはLAWGUEしかないと感じ、導入を決めました。
LAWGUEの導入にあたって、社内推進において苦労した点や工夫した点を教えてください。
緒方様:社内に説明する際、費用対効果を見せづらいことには苦労しましたね。最終的には、スモールスタートで効果を検証してみるという方針で納得してもらうことができました。当初は5つの部署での展開を希望していたのですが、将来的な活用のイメージは伝えつつ、まずは2つの部署に絞ってトライアルを行い、その結果をみながら社内に広げていくという流れで進めることにしました。
タグ機能で参考にしたい文書の検索がスムーズに
現在どのようにLAWGUEを活用されていますか。
井本様:LAWGUEで契約書の作成やチェックを行い、弁護士や相手方とのやりとりを進めています。フォルダは物件ごとに作成し、一つの文書に対してクリーン版、先方との最終マーク版、弁護士コメントと内部向けのコメントが入った最終版の3種類を蓄積していくようにしています。やり取り先や関係者が多いため、無理に一つのドキュメントに全てを集約させず3つに分けることで、データベースとして扱いやすくなると考え、そういった運用にしています。
過去に取引のあった相手方は、タグでの絞り込みも活用しながら類似条項・欠落条項のチェックをして、直近の契約でどのように記載していたか参考にしています。
緒方様:類似条項検索では、関連度合いがパーセンテージで示されるので非常にわかりやすいです。ここまで一致しているのなら間違いないだろうと判断できるので、検索時間の削減につながっています。
また、秘密保持契約などで、「前回はここをこう指摘されたので、今回はこの条文を追加しておきました」といった形で営業担当者からレビュー依頼が来るようになり、こちらの手数が減っています。すばらしい効果だなと思いました。
井本様:秘密保持契約のレビューにおいては、以前はメールに添付する形で営業部門とやりとりしていましたが、現在はLAWGUEのメンション(通知)機能でコミュニケーションをとるようにしています。ファイルをダウンロードする作業が必要なくなり、楽になっています。
LAWGUE上では物件ごとにフォルダを作成して管理されているとのことですが、ナレッジの活用はしやすくなりましたか。
井本様:はい。物件ごとのフォルダ分けは元々の管理と同じで馴染みやすいのに加え、LAWGUEではタグ検索ができる点が役立っています。これまでの管理方法では、フォルダが9,10ほどの階層になってしまうことが多く、過去のドキュメントを参考にしたい場合、探すのに時間がかかっていました。しかしLAWGUEの導入後は、タグ検索によって絞り込みができるので、たどって探すことなく一発で見つけることができます。比較も同じ画面内でできるので、作業がしやすくなりました。
契約書以外の文書に関してはいかがでしょうか。
緒方様:定型的な文書に関しては、LAWGUE内に蓄積した過去のナレッジを活用しています。たとえば、定期的に開催する会議体の議事録などは昨年と同じ時期に同じ議題を扱っている場合が多く、過去の文書と比較できると便利です。
また、社内規程の修正にも利用しました。親会社が変わり、規程を親会社のものに合わせていく必要があったのですが、従来のものと比較しながら足りないところを足したり、対応付けしていったりする作業がスムーズに行えました。新旧対照表機能によって改定前後の変化が一発でわかるようになるのも助かっています。
プレスリリースについては、業界の温度感を掴むために他社のPDFをLAWGUEに取り入れて自社の内容と比較するという使い方をすることもあります。
社内教育はナレッジを活用しながら業務で実践していくことが大切
今後はどのようにLAWGUEを活用していきたいとお考えですか。
井本様:ドキュメント管理を一元化していけることが理想だと考えています。業界としては紙の契約業務も多く残っていますが、すべて電子化して管理できるようになれば、不動産テックという観点からも大きな意義があるように思います。そのためにもLAWGUEにはリーガルテック全般を手掛けていただけるようになるといいですね。
法務教育やナレッジの共有という観点ではいかがでしょうか。
緒方様:当社の業務は専門性が高く属人化しがちです。契約書のチェックに関してeラーニングのプログラムを出向元から借りて社内で実施したこともありますが、やはり一度座学を行っただけでは効果は上がりません。実際にやりながら覚えていくことも重要です。LAWGUEにフォーマットを入れておいて、それを見ながら業務のなかで実践していくほうが教育効果は高いと考えています。
井本様:従来は属人化されているノウハウこそが法務の価値だとされていましたが、これからは経験値によらずナレッジを共有して、そのうえで新しい工夫をしていくことが求められるようになってきています。当社には幸いにも「このノウハウは私だけのものだ」という考え方をするメンバーはいません。私個人としても、ナレッジは共有してこそ価値が生まれると考えております。若手への教育はこれからですが、ナレッジを共有し業務の標準化を進めるためにテックを導入していくという意識が、今後の法務には必要だと考えています。