技術契約の蓄積を活かし、業務を効率化。テレワーク時代の人材育成にも活用

本田技研工業株式会社

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本田技研工業株式会社

知的財産・法務統括部

栗山 智行 様

業種
  • 製造業・メーカー
導入部署
  • 法務・知財部
企業規模
  • 5,001名〜
文書類型
  • 契約書

自動車メーカー。自動車やオートバイなどの製造・販売といった主要な既存事業に加え、近年はeVTOLやロケット開発をはじめとする新しい領域にも挑戦している。

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本田技研工業は近年、自動車やオートバイなどの製造・販売といった既存事業に加えて、eVTOLやロケット開発をはじめとする新しい領域にも挑戦しています。
新規の契約も増えるなか、同社は技術契約における人材育成と業務効率化を図るべく、LAWGUEの導入を決めました。今回は知的財産・法務統括部の栗山さんに、LAWGUEの導入背景や実際の使い方について伺いました。

  1. 課題
    • 扱う契約書の数が多く、業務を効率化したい
    • テレワーク下でベテラン層と若手社員が接する機会が減る中での教育・育成


  2. 導入
    • 若手がベテラン層のナレッジを学べるシステムとしてLAWGUEを検討
    • ベテランメンバーの業務効率化にも活用できそうだと感じた
    • 複数社のAIツールをトライアルし、LAWGUEが最も自社のレビューフローに適していた


  3. 効果
    • 毎月数時間はかけていた、過去文書の検索や比較にかかる時間を削減
    • 目当ての文書が見つからないことが減り、検索のストレスが軽減

活用のポイント

  • 過去1000件弱の文書をLAWGUEに取り込み、データベースを構築
  • 過去の契約書や、同じ契約書の過去バージョンとの比較にLAWGUEを活用

AI活用による業務効率化を考える中で、コロナ禍によるテレワークへ。人材育成課題が顕在化

栗山さんの普段の業務内容について伺えますか。

私自身は20年以上契約業務に携わってきました。現在は、知的財産を対象とした秘密保持契約や共同開発契約など、技術契約を扱う部署に所属しています。

LAWGUEの導入以前、技術契約の関連業務においてどのような課題を抱えていましたか。

契約書の数が多く、自分だけでもかなりの案件を担当しています。業務の効率化を図るため、以前からAIを活用できないか考えていました。また、コロナ禍によってテレワークが多くなり、若手社員の教育にも使えないかと考えていました。この先AI技術が進化していくと、近いうちに人間が負けてしまう未来がくるとも思っていたので、AIツールについては常日頃からアンテナを張って調べていました。

そうしたなか、LAWGUEの導入を決められた経緯をお伺いできますか。

テレワークによって、若手社員とベテラン層の接する機会が減るなか、LAWGUEには人材育成という点で期待していました。出社していれば他の社員へ気軽に声を掛けられますが、テレワークだとそれが難しいですし、若手社員はあまり会社のことを知らないうちにテレワークへ移行したため、わからないことがあったときに誰に聞けばよいのかすらわからない状態でした。若手のことを考えると、Web上で教育できるツールを利用するのがよいだろうと考えました。

また、ベテラン層の業務効率化を進めていきたいというのも、LAWGUEを導入したもう1つの理由です。すでに電子契約ツールは導入していたので、契約業務における作業をより効率化できるものを探していたところ、普段の情報収集からLAWGUEのことを知り、トライアルで利用してみることにしました。

過去のナレッジ蓄積を活かした、検索・比較作業の効率化をイメージできたのが決め手

他社のツールも検討されたのでしょうか。また、LAWGUE導入の決め手となったポイントがあれば教えてください。

AIレビューツールなど、複数社のツールをトライアルで試してみました。AIによるレビューは、正しいと思う指摘もあれば、これは違うのではと感じる指摘もあり、結果を全て信じ切ることはできないという感触がありました。いずれにしても人間による作業がある程度必要なのであれば、LAWGUEのように自社で蓄積した文書を比較して分析できるツールのほうが役立つと考えました。

普段の契約業務は、相手方から受け取った契約書、あるいは自社の雛形を修正されたものに対し、過去事例と比較してどれだけ変化しているか、変化の内容は許容できるレベルのものかどうかを考えていく流れが一般的です。ベテラン層は過去の事例が頭の中に入っており、比較したい契約書をファイルサーバーから見つけ出す際にもある程度記憶を頼りに検索できますが、それでも時間は掛かってしまいます。当社には過去の蓄積が手元にかなりあるので、その検索・比較作業を効率化するにはLAWGUEが一番適していると思いました。

導入にあたって何かハードルはありましたか。

もともと、リーガルテックツールを入れたいという話は長年してきていたので、LAWGUEを導入したいと決めてからは短期間で進めることができました。コロナ禍によってリモートワークやクラウド上での作業が普及していたので、関係者の理解を得やすかったと思います。

コロナ禍以前の契約業務は、とにかく件数をこなし、地道に契約書を読んで書く経験を積むことで実力がつくと思われてきましたし、自分自身もそう思っていた時期がありました。ただ、AI技術の進歩が目覚ましく、適切なツールを使うことが当たり前になるなかでは、そうした価値観も変化してきています。

また、会社としても部門としても、新しい技術はどんどん取り入れていこうという雰囲気があります。

LAWGUEにデータベースを構築し、過去の契約書の検索、比較を効率化!月数時間の業務時間削減に成功

現在どのようにLAWGUEを活用されていますか?

LAWGUEにまずは過去1000件弱の文書を取り込み、案件対応の際に各自で利用している形です。特に過去の契約書と比較したいとき、修正履歴と比べたいときなどには便利に使っています。ベテラン層はLAWGUEを利用せずとも判断できる場合があるので、必要に応じて適宜利用するようにしています。

LAWGUEの導入効果を、定量的・定性的観点からお聞かせください。

検索や比較に掛かる作業が効率化されたので、月数時間程度の業務時間削減につながっているという感覚です。定性的にはストレス削減という効果もあるように思います。文書を検索する際に「たしか、何年か前のこんなファイル名の文書が、あそこにあったかな……」と自身の記憶に頼ってしまうと、それが間違っていた場合に探し直さなければならず非常にストレスを感じます。それがさっとLAWGUEの検索結果に出てくることで、気持ち的にはずいぶん楽になりました。

振り返ってみて、導入前にやっておけばよかったと思うことはありますか。

文書をアップロードする際のプロジェクト名の付け方と階層の作り方は、最初にルール化しておいたほうが管理しやすかったように思います。また、ツールはあくまで人間が判断するための補助に使うものであるという意識を持ってもらうことが最初に必要だったと感じています。LAWGUEでの検索結果を鵜呑みにして「前回例があるからOK」と安易に判断するのではなく、必ず最後に自分の頭で考えなければなりません。

LAWGUEの活用を含め、この先どのように契約業務の効率化を進めていきたいですか。

やはり以前からの課題であった人材育成へのツール活用は進めていきたいです。先輩に聞かなくても、新人が自分で探したい文書を見つけ出して比較できるようになることが理想です。そのためには、過去事例や雛形へのコメント記入や検索用のタグ付け、運用ルールのブラッシュアップが必要だと考えています。また、契約交渉のやり取りも残せるようにしてナレッジ共有に活かしていけるとよいですね。人材育成用にツールを整備することで、同時にベテラン層も含めた業務の効率化にもつなげていきたいです。

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